【掲載】『ソムリエ4巻』(原作:城アラキ氏、漫画:甲斐谷忍氏、監修:堀賢一氏 集英社1997年)
ワインの保管温度
マンガ「ソムリエ」で今後も何度か登場するワインマニアの田淵さん登場です。登場時は、ワインのコレクションが趣味なのに、保管するだけでワインを飲まない鑑賞専門のコレクターでした!
エアコンで自宅をワインセラーに
その田淵さんですが、(多分ワンルームの)自宅にエアコンを2台かけっぱなしにして、室温を14度に保っています!この環境を作るのに5年かかったと言っていますが、それはかかりすぎなのでは(笑)?そんな田淵さんに、6月5日の朝5時から6時○○分まで、電気工事のために停電になるという通知がきます。城は
半日くらい大丈夫ですよ。この気温なら劣化しませんって 『ソムリエ4巻』原作:城アラキ 漫画:甲斐谷忍 監修:堀賢一 集英社 1997年 より引用
と言います。・・・ん?1997年当時に、朝5時から夕方6時まで電気を止めるようなことが起こっていたのでしょうか?朝5時から朝6時を城が勘違いした??
余計な突っ込みをしましたが、当時の6月5日の気温なら、全く問題ないでしょうね。
ワインによっては、真夏でも問題ないと思います(温度変化が急激でなければ)。このあたりの私の見解は、またいつか。
さて今回の登場ワインですが、最初に田淵さんが良いワインと評価するシャトー・デュ・ケルーのカオールは、楽天モール内でも全くありませんし、楽天以外のネットショップも在庫はないようです。続いて、話の最後のほうで登場したのが、ドメーヌ・ド・ヴィレーヌのブルゴーニュの赤ワイン。
ドメーヌ・ド・ヴィレーヌは、ロマネ・コンティの共同経営者のオベール・ド・ヴィレーヌが設立したドメーヌで、現在は甥のピエール・ド・ブノワが引き継いでいるドメーヌです。オベール・ド・ヴィレーヌはロマネ・コンティ社の株の50%を所有していますが、残りの50%は1992年まではルロワ、現在はドメーヌ・プリューレ・ロックのアンリ・フレデリック・ロックが所有しています。
私の思うワインの保管温度
さて、では皆さんが、ご家庭でワインを保存するにはどうしたら良いのでしょうか?
ワインの本を買うと、「北向きの押入れにふとんにくるんで」と書いてあったりします。また、冷蔵庫保存は不適とし、その理由としては「振動がある」「臭いがうつる」「開閉による温度変化がある」などと言われてきました。
現在では実験をした方々の実体験から、『冷蔵庫保存は問題なし(ワインセラーよりも熟成しない)』とされており、押入れ保存は35度を超えるようになった日本の夏では、北向きの部屋でも関係なく高温すぎるとされています。
私も、一般家庭でワインを中期的に保存するには冷蔵庫保存が最適だと思います。ただ、1本のみなら冷蔵庫に入れておいても奥様に叱られたりしないかもしれませんが、4,5本となると冷蔵庫保存も奥様の許しが得られない方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、発泡スチロールの箱など、温度変化が少ないものに入れ、温度変化の少ない部屋に置くしかありません。ひと夏であれば、多くのワインで問題ないのではないかと思います(もちろん古酒などは避けたほうがよいです)
高温は、もちろんワインにとって良い環境ではありませんが、私個人としては高温以上に、温度変化を避けるべきだと思います。高温に関しては、西日があたり昼間の温度が35度を毎日超えるような夏の部屋に約2か月ワインを置いたものと、セラー保存した白と赤のワインを夏が終わって飲み比べましたが、ほぼ同一の味わいでした。
この「ほぼ」の度合ですが、ソムリエ数人で実験し、私以外は同一のワインということも知らない全くのブラインドでしたが「これは同じワインでは?」と皆が言うレベルでの同一性です。
温度変化で注意したいこと
夏にネットでワインを買うとクール便で発送してもらうしかありませんが、到着後はまず冷蔵庫に入れることをおすすめします。
クール便は宅配業者によっては5度以下になっていることもあるためです。冷蔵庫の10度以下程度まで、ゆっくり温度を上げ、そこからさらに、エアコンの風のあたるような涼しい場所で温度を上げるのが良いと思います。
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