【掲載】『ソムリエ4巻』(原作:城アラキ氏、漫画:甲斐谷忍氏、監修:堀賢一氏 集英社1997年)
オーパスワン
日本でのオーパスワンの人気の発端のひとつは、マンガ「ソムリエ」ではないでしょうか。当時、大学生だった私も、この「レストランデート」の回は印象深く、今回の主登場人物である島田くんがワインを覚えようと頑張ること、城がすすめたオーパスワンとその名前の意味、そしてそれに喜ぶ彼女の話は記憶に強く残りました。なによりその彼女を観察した城に憧れたものです。
食前酒
島田くん、大学生だと思うのですが、頑張ってバイトしたアルバイト代10万円を手にして(まだ彼女でもない!)佐智子ちゃんとのデートのディナーにアトランティックホテルのメインダイニング”ラ・メール”を選ぶのです!!うーん・・・すごい!でも・・・それが男なのです。バカなのです。僕も、一歩間違えばやっているかもしれません(笑)。
そして、この日のためにワインの予習。やります!やりますよね!男性諸君!!これ、分かるわぁ~。なんだか思い入れのある回だったのもあり、テンションが上がってきてしまいました。いままでと僕のキャラが違うように見えることと思いますが、なんとなくこのキャラで今後も書きたくなってきました(^^ゞ
島田くんが予習したワインは次の3本。ワイン名を覚えただけですが、フランス語で書かれていても選べるように覚えています^^
- シャトー・カノン
- ポマール・レ・ヴィニョ
- シャトー・コス・デストゥルネル
さて、ラ・メールに入店すると席に案内されます。すると、城が食前酒はどうするか尋ねます。島田くんは
ぼ、僕にはシャンパンをグラスで
彼女には・・・「ピーチャー・キール」を
『ソムリエ4巻』原作:城アラキ 漫画:甲斐谷忍 監修:堀賢一 集英社 1997年 より引用
と言います。そして
シャンパンをピーチ・リキュールで割っているから軽いよ
『ソムリエ4巻』原作:城アラキ 漫画:甲斐谷忍 監修:堀賢一 集英社 1997年 より引用
と。
実際の現場では、ピーチャー・キールというカクテルは注文されることも少なく、日本では圧倒的にキール・ロワイヤルというカシスリキュールをシャンパンで割ったもののほうがメジャーです。
ただ、これらのリキュールとシャンパンのカクテルは、シャンパンに、よりアルコール度数が高いリキュールを加えるので、実は軽くはない食前酒(「軽い」がアルコール度数のことならば)。
でも、飲み口は甘く飲みやすくなるので、くいっと飲めます。アルコールの強くない女性の方、男性にカシスリキュールを勧められたら注意(笑)!
ところで、会話でピーチ・リキュール「で」割ると書かれているのですが、リキュールのほうがアルコール度数が高く分量は少ないので、リキュールをシャンパンで割ることになります。
【割る】:ある液体に他の液体を混ぜて濃度を薄くする。
大辞林 第三版 より引用
ふと思ったのでずが、これ、もしかしたらピーチネクター「で」割った「ベリーニ」というカクテルをイメージしていたり、原作からマンガになる過程で変わってしまったりしたのでしょうか。ベリーニならシャンパンをジュースで割るわけですから、「軽い」です。
ちなみに、食前酒の効能として、軽いアルコールを胃に入れることで胃を活性化させ、食欲増進、消化増進させると言われています。軽く二日酔い気味の朝、なんだかお腹がすいていることありません?私は、若いころありました。今は、軽く二日酔い気味だとダルいor軽い頭痛です(笑)
食前酒のすすめ
私は、若いころフランス料理を食べに行っても、食前酒はオーダーしていませんでした。お財布が心配な方、またアルコールがあまり強くない方、安心して「食前酒は結構です」「食前酒は要りません」と答えてください^^
しかし、ソムリエ見習いだったある日、同じくソムリエを目指していた先輩と食事に行き、食前酒にグラスシャンパンをオーダーしました。
すると・・・そのあとの料理を決めるためにメニューを見る時間が楽しい!!
今までは、メニューを見る時間は料理を楽しむ「前」の時間だったのですが、食前酒を飲みながらメニューを見ると、その時間も「料理を楽しむ時間」になることを実感した日です!それ以来、食前酒はお願いすることが多いです^^みなさん、ぜひ試してみてくださいね♪