セニエ法?マセラシオン法?

以前の記事(「ロゼの醸造方法」)で少ししか紹介していなかったロゼはどのように造られ、どんな味わいなのかを本日は探っていきましょう。

一般消費者からの質問で、意外と多いのは、「赤ワインや白ワインはなんとなくわかるのですが、ロゼワインって何なのですか?」という質問です。 ...

ロゼワインの造り方

ソムリエ協会の教本(2014 年版)には、次の 3 つの方法が書かれています。

セニエ法(血抜き法)

黒ぶどうを使い、赤ワイン同様に醸しまで行い、意図する色合いが出たところで、果汁だけを引き抜き、アルコール発酵を行っていく方法。この引き抜く様子が、血を抜くようなので血抜き(saignée)といいます。

ブラッシュワイン(直接圧搾法)

黒ぶどうを破砕し、圧搾するとわずかに色が付きます。この薄く色づいたジュースを白ワインと同様に造ります。

混譲法

ドイツの“ロートリング”のように、黒ぶどうと白ブドウが混ざった状態の果醪(かもろみ)を発酵させる

セニエ法?マセラシオン法?

ボルドーなどでは濃厚な赤を作るため、セニエ法を使って濃厚なジュースからワインを作ります。この副産物(抜き取ったジュース)で多くのボルドーロゼはできていると言われています。

なので、1 のセニエ法とこの副産物的なセニエ法を分けるために、それぞれをマセラシオン法、セニエ法と区別するような書き方の本もあります。

実際、堀賢一氏は

ロゼには様々な醸造方法がありますが、広く非発泡性ワインに用いられているのは、マセレーション(浸透)法と直接圧搾法、セニエ(血抜き)法の3つです。『ソムリエール9巻』巻末の「ワインの自由」より

として、ロゼの3つの醸造方法を

  1. マセレーション法(浸透法)
  2. 直接圧搾法
  3. セニエ法(血抜き法)

に分けています。

ロゼの醸造方法

では、それぞれを、もう少し詳しく解説してみます。

さきほど書いたように、マセレーション法=セニエ法と書いてあることも多いですが、今回は分けて説明します。

マセレーション法(浸透法)

黒ブドウを使い、ビーカー内でブドウをつぶし、果皮を漬け込むと想像してみてください。

赤ワイン同様(「ロゼの醸造方法」参照)、果皮の色がジュースに付きはじめます。

そして、色がピンクの時点で(赤ワインの色までいかない時点で)、ジュースだけを抜き取り、別のビーカーに移します。

これを発酵させたものがマセレーション法によるロゼワインです。

このマセレーション法は、最初からロゼワインを造る目的で、生産者の意図する色合い・成分濃度で抽出をやめられ、一般的に非発泡性のロゼワインで優良なものは、この方法で造られていることが多いです。

珍しいソーヴィニョン・グリというぶどう品種を使い8時間のコールドマセレーションによるロゼ

セニエ法(副産物的)

マセレーション法と行うことは、ほぼ同じなのですが目的がちょっと違うかもしれません。

『美味しい赤ワインを造ろう』と、頑張って赤ワインを造っていきます。

今年は雨が多く、どうも薄い・・・そこで、しっかり赤がつく前のジュースを抜き取ります(セニエ)。こうすると果房などとジュースとの比率は最初と変わり、ジュースの比率が減ります。

すると、皮や種などからの成分の強い赤ワインが生まれます(抜いたので水分量は減ったけど、種や果皮の量は最初のままだから)。

『美味しい赤ワイン』を造ることができました^^

さて、では、さきほど血抜きしたロゼ色のジュースはどうしましょう。

発酵させれば、ロゼワインが出来ます!

これが(濃厚な赤ワインを造る過程で生まれる)セニエ法によるロゼワインです!

ボルドーのロゼが色が濃いのは、こういう造り方をしているからという場合もあります。天候の悪い年だけ生まれるボルドーロゼなども、こういった理由からです。

直接圧搾法

ミラフロー・ロゼの画像

黒ぶどうを絞りマセラシオン(果皮浸漬)をせずに醸造するので、果皮の色素がほとんど付かない淡いロゼです。

1970 年代のアメリカで白ワインの需要が急激に増加した際に、白ぶどうの供給が間に合わず、供給過剰だったジンファンデルから白ワインに近いスタイルのワインを醸造しようとしました。

現在の直接圧搾法は、薄いロゼ(桜色)のワインを造ることがほとんどですが、当時のジンファンデルの直接圧搾法は、ぶどうを破砕・搾汁した直後に果皮を取り除いて、できるだけ白に近い色合いにしていました。

混譲法

ドイツの“ロートリング”のように、黒ぶどうと白ブドウが混ざった状態の果醪(かもろみ)を発酵させます。

つまり、ぶどうジュース総量に対して赤い色素の割合が低くなるので、ロゼワインが生まれるわけです。

まとめ

いかがでしょうか。

ロゼワインの醸造は、ソムリエなら勉強して知っていることなのですが、セニエ法とマセラシオン法の部分が、参考する本によって違ったりします。

別にどちらが良い悪いではなく、私たちはそれらの違いや目的の違いなどを知っておくとよいのではないかと思います。

あ、もちろん、ソムリエ試験受けるならソムリエ教本に従ってくださいね^^

ソムリエ協会(2014年教本)

  1. セニエ法
  2. 直接圧搾法
  3. 混醸法

ワインの自由(堀賢一氏)

  1. マセレーション法(浸透法)
  2. 直接圧搾法
  3. セニエ法(血抜き法)
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