ロゼの醸造方法

一般消費者からの質問で、意外と多いのは、「赤ワインや白ワインはなんとなくわかるのですが、ロゼワインって何なのですか?」という質問です。

ただし、その方達が白ワインと赤ワインの醸造方法を知っているわけでも、色の違いの理由を知っているわけでもありません(笑)。

それでも、ロゼワイン・・・ハテナ??となるワインだということです!

ロゼワインの醸造方法

ロゼには様々な醸造方法がありますが、広く非発泡性ワインに用いられているのは、マセレーション(浸透)法と直接圧搾法、セニエ(血抜き)法の3つです。『ソムリエール9巻』巻末の「ワインの自由」より

泡のないロゼワインの醸造方法ですが、堀賢一氏は上に書かれているように、

  1. マセレーション法(浸透法)
  2. 直接圧搾法
  3. セニエ法(血抜き法)

に分けています。

ちょっと注意しなければならないのは、ソムリエ協会では

  1. セニエ法(血抜き法)
  2. ブラッシュワイン(直接圧搾法)
  3. 混醸法

と分けていることです。

どう違うのかを説明する前に、まずは白と赤の造り方をお伝えした方が分かりやすいので、これらの醸造方法から。

赤ワインの醸造方法

赤ワインは黒ぶどうを使います。

(生食用だと巨峰のような紫色の果皮のぶどうです)

これを、ビーカーの中で房ごとグチャグチャっとつぶすイメージをしてみてください。ぶどうジュースの色は何色でしょう?

「紫です」or「赤でしょ?」

が多い答え・・・私の期待通りの答えです^^

答えは、白(透明)です。

ぶどうの実を思い浮かべてください。紫ではないですよね。透明がかった緑っぽいような色です。これを絞るとジュースも白というか、透明っぽい色です。

皆さんが思い浮かべる一般のぶどうジュースの色はなぜ紫なのでしょう?

一部の高級ぶどうジュース以外は着色料を使っていることが多いです。果汁100%のものは着色料を使っていないものもあります。

では、高級ぶどうジュースの紫色はなぜ紫色かというと果皮の色なのです。

さきほどのビーカーの中で、つぶしたぶどう。透明のジュースが出てから、そのまま放っておくと、果皮の色がジュースに付きはじめます。

皆さんもぶどうを食べたあとの果皮を置いている皿の果汁が紫色になっているのを見たことがありますよね。あれと同じようなことがビーカーの中で起こるのです。

同様に、つぶした種や梗(「こう」ぶどうの実がついている、あの茎のようなもの)からもエキスが出ます。

種由来のタンニンなどもここでジュースに混ざっていくのです。このジュースを原料に発酵させ、赤ワインが造られるのです。

種を誤って噛んでしまったら、イガイガしますよね。種には渋みの成分であるタンニンが含まれているからです。

なので、果皮や種の成分の含まれる赤ワインは紫色で白ワインに比べると渋いのです。

白ワインの醸造方法

では、白ワインはどうでしょう。

白ワインは、白ぶどうを使います。

(生食用だとマスカット・オブ・アレキサンドリアのような緑の果皮のぶどうです)

今度は、ビーカーの上面に「こし器」があるとして、ここでブドウをつぶす場合をイメージしてみてください。

すると、ジュースだけが落ちますよね。つまり、果皮や種のエキスが、ほとんど含まれない。これを原料に発酵させたものが白ワインです。

果皮や種のエキスが少ないから白ワインは渋みの成分が少ないわけです。

そして、やっと本題のロゼワインです。今回は、(1)マセレーション法について。

ロゼワインの醸造方法【マセレーション法(浸透法)】

赤ワインの時同様に、黒ぶどうを使い、ビーカー内でぶどうをつぶし、果皮を漬け込みます。

赤ワイン同様、果皮の色がジュースに付きはじめます。

色がピンクの時点で(赤ワインの色までいかない時点で)、ジュースだけを抜き取り、別のビーカーに移します。

これを発酵させたものがロゼワインなのです!

このマセレーション法は、最初からロゼワインを造る目的で、生産者の意図する色合い・成分濃度で抽出をやめられ、一般的に非発泡性のロゼワインで優良なものは、この方法で造られていることが多いです。

いかがでしょう。分かりやすいと思ってもらえたらうれしいです。ロゼワインの醸造方法(2)、(3)については、また別の機会に^^

チェラスオーロ・ディ・モンテプルチアーノ・ダブルッツィオ


楽天モール内商品・・・チェラスオーロ・ディ・モンテプルチアーノ・ダブルッツィオ2008 【エドアルド・ヴァレンティーニ】 価格:10,800円(税込、送料別)

今回ご紹介のロゼワインは、マンガに出てきたものではありません。最高峰のロゼワインのうちの1つをご紹介します。

ヴァレンティーニというイタリア、アブルッツォ州の造り手のロゼです。

ヴァレンティーニ家は、アブルッツォ州有数区の貴族で、1632年より続くワイナリー。広大な自社畑を所有していても、そのほとんどは他の生産者に売ってしまい、本当に良い年だけ、しかも自社畑での収穫量のうちの20%だけの良いものをワインとして生産します。

生産量が少なく希少なヴァレンティーニのワインの中でも、白とロゼはさらに入手困難です。

ロゼは、モンテプルチアーノ100%で、ブドウを果皮浸漬した後、古樽で発酵させます。 2006年に偉大な当主が亡くなり、現在は長男夫婦に受け継がれています。

抜栓してすぐの状態では、桃やアンズのような果実の香りにハーブっぽさがあるアロマ、スパイス、ドライハーブ、スモークを感じるブーケです。

小一時間経つと、ドライトマトやドライフラワーの香りも。

味わいはしっかり!まさに色が分からない状態で飲むと赤と思うでしょう!

多少のタンニンに、酸もしっかり。ピリリと舌の感じるのは何由来??若いわけでもないですし。アルコール感も適度にあります。本当に力強いロゼワインです!

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