タンニンと酸化防止剤の関係

ヨスコ・グラヴナーのリボッラ・ジャッラを取り上げたle vin #23「ワインの大地」に引き続き、le vin #24「孤児院のワイン」にて。登場ワインは、ヴィッラ・ルシッツのピノ・グリージョですが、今回はそのワインとは別にタンニンのお話です。

タンニンの働き

酸化防止と、それからワイン中のタンパク質を沈殿させるby樹カナ 『ソムリエール4巻』le vin #24「孤児院のワイン」

【掲載】『ソムリエール4巻』(原作:城アラキ氏、漫画:松井勝法氏、監修:堀賢一氏 集英社2007)

片瀬支配人の「樹・・・お前、ワインのタンニンにどんな働きがあるか知っているか」に対する返答が上記です。

ストーリー中では、この場面で「人生はワインのように複雑で、その味わいには少しだけ苦味もある・・・そう教えるためさ」と片瀬支配人が話してタンニンの話題は終わりで、ちょっとクサいセリフを言うために投げた単語のように感じます(笑)。しかし、巻末の『ワインの自由』の主テーマは『タンニン』でした!

その中にあるように、タンニンはぶどうの果皮と種子、果梗に多く含まれていて、果肉にはほとんど含まれていません。

そのため、赤ワインはタンニンを含むワイン、白ワインはタンニンをあまり含まないワインとなります。

検索からこのサイトをご覧になっている方には説明不要だと思いますが、上記をより詳しく説明すると、赤ワインは、ワインを造る段階(発酵段階)で、果皮や種子を果汁と一緒に漬け込むことで果皮からの色素やタンニンなどが溶け込み、赤色のついたタンニンのあるワインが出来上がり、白ワインは、一般的には果皮や種子を漬け込まないため、白(透明)でタンニンをあまり含まないワインが出来上がるわけです。

さて、ここからは『ワインの自由』には書いていないことなのですが、樹カナがタンニンに酸化防止の働きがあると言ったように、タンニンを含む赤ワインは含まない白ワインに比べて長期の熟成が可能なことが多いです。

そして、ここ数回の記事で触れている酸化防止剤の話と結びつくのですが、このタンニンのおかげで、一般的には白ワインよりも赤ワインのほうが、酸化防止剤の使用量が少なく、例えば、EU基準で、残等5g/l以下の辛口の白ワインで亜硫酸塩の使用制限は200mg/lなのに対して、赤ワインは150mg/lです。

ヴィッラ・ルシッツ ピノ・グリージョ

ぶどうの登熟後期に急速に酸が失われる性質があり、完熟してから収穫されるアルザスではアルコール度の高い、フル・ボディのワインとなりがちなのに対し、フリウリでは酸に着目して収穫して収穫するために、比較的アルコール度の低い、酸の豊かな辛口白ワインとなる。『ソムリエール4巻』le vin #24

ピノ・グリージョは若ければわかいほどおいしいワインであるため、可能な限り最新ヴィンテージを購入すること。『ソムリエール4巻』le vin #24

と言っています。2つ目の品用は、ヴィッラ・ルシッツのピノ・グリージョのことなのか、ピノ・グリージョ全般のことなのか、文面からでは私にはわかりませんでした。個人的には、堀氏はヴィオニエというブドウ品種は酸が少なく熟成による魅力の向上を期待できないという内容のことおっしゃっていますが、私は熟成したヴィオニエも好きです。

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