モンテブォーノ1986は変態系ワインか!?

前回に引き続き、イタリアの自然派というか伝統派というか、はたまた急進派というか、ワインを管理しない造り手のワインです。最近、変態系ともいわれますよね。そんな造り手とワインをご紹介します。

自然農法で無農薬、酸化防止剤無添加、そしてアンフォラで発酵熟成の白ワイン

【掲載】『ソムリエール7巻』(原作:城アラキ氏、漫画:松井勝法氏、監修:堀賢一氏 集英社2007)

前回の記事で、次のような言葉を紹介しました。

100人飲んで99人は顔をしかめるけど、残りの1人にとっては、人生最高のワインになるかもしれません
by樹カナ 『ソムリエール4巻』le vin #23「ワインの大地」

これは、ソムリエール4巻の『le vin #23「ワインの大地」』に登場するヨスコ・グラヴナーのリボッラ・ジャッラについての表現です。

今回も、ほぼ同じ表現が登場します!

このワインは100人が飲んで99人までが顔をしかめるかもしれません。
でも
残る1人にとっては生涯忘れられない味になる・・・そんな1本です
by樹カナ 『ソムリエール7巻』le vin #41「時の値段」

最初に読んだとき、デジャブか!?と思ったほど、同じような表現です。そして、ワインは今回もイタリアワイン。バルバカルロという造り手のオルトレポ・パヴェーゼ・モンテブォーノというワイン。

このワインは、安くて長期熟成したワインを飲みたいという注文に対して樹カナが選んだワイン。2人の客は、これを一口飲み同時に、「何だぁこのワインは!」と叫びます。ただし、一人は『おい田口君、キミ舌は大丈夫か?これが最高だなんて・・・』と言い、一人は『む・・・村上クン!君の方こそ舌は大丈夫!?このワインの素晴らしさがわからないなんて』と言います。

前回の記事同様、この回も読んだ時から、一度使ってみたいなと思っていました。カルチャーセンターのワイン講座では、イタリアの白のみで特集を組んだ変態系ワインに引き続き、イタリア赤のみで変態系ワイン特集をしたのでした。その時の私のワインの紹介文は以下です。

モンテブォーノ(バルバカルロ)

北イタリアのロンバルディア州のオルトレポ・パヴェーゼは、近年ソムリエ試験にトライした方なら苦労して覚えた比較的新しいDOCGですよね。オルトレポ・パヴェーゼ・メトード・クラシコというスパークリングワインとして覚えたのではないかと思います。私がソムリエ試験を受けた際には、DOCGではなく、イタリアワインを勉強しなおした際に覚えたDOCでした。

ソムリエール7巻内では、『なんて澱の量だ!!』と書かれていますし、樹カナは『澱と炭酸ガスを抜くためにデキャンタージュします』と言っています。私は澱を取り除くためのデキャンタージュはできるだけ行わないソムリエなのですが、このワインは澱が多いことよりも、二酸化硫黄(酸化防止剤)を使わないことにより、瓶内でおきた軽い二次発酵による炭酸ガスを抜くために行うとよいと思います。ちなみに、二酸化硫黄は樽を洗浄する際には使用します。

当時は市価3,000円程度とのことですが、今ではさすがに5,000円程度となっています。それでも、1986年のワインがこの値段は安いと思いますし、変わったワインが好きな方や、自然派独特の個性が好きな方にはおすすめの1本です。
私のワイン講座内でも、みなさんどう表現すればよいか分からないといった感じでした^^;また、前回同様イタリア料理店のスタッフは、「これは店ではすすめられないッス!」と言っていました(笑)。でも、たま~にレストランにいらっしゃる面白いワインを求めるお客様にはピッタリだと思いますよ^^

コミックス内では、ワインオタクの客が、ちょっとヤバい顔で次のように言って終わります・・・やっぱり変態系ワイン!?(笑)

君はなんて素晴らしいワインなんだ・・・素晴らしすぎる・・・byワインオタクの田口くん 『ソムリエール7巻』le vin #41「時の値段」

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