Vintage28「レストランデート」(その2)

【掲載】『ソムリエ4巻』(原作:城アラキ氏、漫画:甲斐谷忍氏、監修:堀賢一氏 集英社1997年)

 前回の「レストランデート」(その1)の続きです。島田くんが予習したワインは3本。

  • シャトー・カノン
  • ポマール・レ・ヴィニョ
  • シャトー・コス・デストゥルネル

残念ながら、最初の2本はラ・メールには置いていませんでした。島田くんも自宅で予習中に3本覚えておけば大丈夫と思ったようですが、ワインは星の数ほどあるため、○○ってワインありますか?とレストランで尋ねても、無いことは多々あります。そして、予習したうちの最後の1本のシャトー・コス・デストゥルネルはあったものの、ヴィンテージが古いものしかないと城が案内します。
島田くんは、古いって・・・と思いワインリストに目をやると、なんと1961年!!当時でも35年経った(メドック格付けの)ワインです!そりゃ、高いです!!島田くんも値段を見て、高すぎる・・・と困惑し、予習したものが全滅だったので、ショックでグラスを倒してしまいます。

しかし・・・1961年のコスが東京のホテルのメインダイニングで5万円!?そんなもんだったんですかっ!?当時の古酒のワイン価格は覚えていないけど・・・はぁ~、学生時代、ワインをストックしておけば良かった。確かに、酒屋さんで五大シャトーが1万円くらいだったんですよねぇ。「飲んでみたいなぁ。1万円かぁ」と思っていたのを思い出します。

 2014年10月時点でのシャトー・コス・デストゥルネル1961年を楽天モール内で検索すると、1件ヒットしました。その値段は・・・小売価格で10万円オーバーです!!

シャトー・コス・デストゥルネル[1961]

シャトー・コス・デストゥルネル[1961]
価格:105,840円(税込、送料別)

オーパスワン

さて、城は、ゴブレットを倒して水をこぼしてしまった島田くんの服を拭く早智子ちゃんの左手を見て島田くんに、ピッタリのワインがあったと伝えるように言います。そして、登場するのがオーパスワン1991!!このマンガでワイン好きに広がったとも言えるワインです。

楽天最安値(2014年10月)のオーパスワンは、34,766円。このオーパスワン、2005~2007年には流通価格は4,5万円していました。それが2009~2011年くらいだと2万円弱。そして、現在は4万円弱くらいでしょうか。

それにしても、いざ読み直すと、オーパスワンのことはそんなに大々的に説明しているわけでもないんです。

オーパスワンというワイン名がクラシックの「作品第一番」なので、バイオリンをやっている早智子ちゃんにぴったりのワインと選び、喜んでもらえるというくらいの紹介です。

なんだか、もっとオーパスワンのことを紹介した回だったような気がしていました。当時の価格も書かれていません(記憶では小売価格で8,000円くらいだった気がします)

私がオーパスワン登場とともに強く記憶に残っているのは最後に島田くんが

あのソムリエ―なぜ早智子ちゃんが楽器(バイオリン)やっているのがわかったんだ!?
『ソムリエ4巻』原作:城アラキ 漫画:甲斐谷忍 監修:堀賢一 集英社 1997年 より引用

と言ったように、私が城に影響を受けた『お客様を観察する』こと。それをすることによって今回の島田くんと早智子ちゃんのように、記憶に残る日にしてもらえるかもしれません。

実際、マンガの中でも早智子ちゃんの爪は右手は長く、左手は短く描かれています!!

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